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朝起きると手指の関節が痛い・こわばる原因

朝起きると手指の関節が痛い・こわばる?
このような症状はありませんか?

  • 朝起きると手指の関節が痛い
  • 朝起きると手指がこわばる
  • 朝起きると、手のひらがガチガチに硬くて動かしづらい
  • 手指の関節が腫れている感じがする
  • 手を握ったり開いたりすると痛い
  • 朝起きたときに指が痺れる
  • 指の関節が熱を持っているような感じがする
  • 手の動きが鈍くてつまむことが難しい
  • 朝は指が痛いけど、昼になると楽になる

など

上記のような症状が見られる場合、膠原病やリウマチ性疾患が疑われます。東京都・埼玉県・神奈川県近辺で当てはまる症状がある方がおりましたら、東京都目黒区、自由が丘駅徒歩2分、自由が丘リウマチ・膠原病クリニックまでご相談ください。


朝手がこわばるのは病気?

加齢による変化、指の使い過ぎ、外傷後の変化、アルコール多飲後のむくみ、などでも手のこわばりはみとめます。しかし、関節リウマチの初発症状としてもっとも多いのもこの『朝の手指のこわばり』です。関節リウマチは100人~200人に1人が発症する、決して稀な病気ではありません。放っておけば関節の変形は進み、変形した関節は治療が成功しても戻りません。関節の腫れ方や、これまでの経緯、血液検査や関節超音波検査などで早期に発見することが可能な時代になっています。ご心配な方はぜひ早めに専門医を受診することをお勧めします。


朝、手指の関節が痛い・こわばる原因

関節リウマチ

朝に手指の関節が痛くてこわばる原因の一つは関節リウマチです。関節リウマチは、自己免疫疾患で、免疫システムが自分の関節組織を攻撃し、慢性的な炎症を引き起こします。主な症状は、夜間~朝にかけて特にひどくなる関節の痛みやこわばりで、手指の関節が腫れて熱を持つこともあります。朝のこわばりは1時間以上続くことが多く、関節の柔軟性を損ない、日常生活に支障をきたすことがあります。治療には、抗リウマチ薬や炎症を抑える薬を用います。

関節リウマチ

変形性関節症

変形性関節症は、関節の軟骨が磨耗し、関節が変形(骨と骨の隙間が狭くなる)する病気です。特に手指の関節、膝関節、腰の骨などに多く見られ、朝に手指がこわばる原因となることがあります。『病気』と書きましたが、個人差はあれ、ほとんどすべての人で加齢に伴い、この関節の変化は生じてきます。とくに女性では更年期の女性ホルモンの変化に伴い、一時的に関節の摩耗が進行する時期があり、この時期に関節のこわばりや痛みを自覚することも多いです。

乾癬性関節炎

乾癬性関節炎は、乾癬という皮膚疾患に伴って発症する関節炎です。主に手指の関節に痛みやこわばりを引き起こし、特に朝に症状が強くなることがあります。皮膚に乾癬の特徴的な皮疹が見られることもありますが、ときに皮疹がほとんど見られないケースや、皮疹が後から出てくるケース(関節炎先行型)もあります。手や足の爪にも特徴的な変化が出てくることが多く、診断の際は大事な情報になります。関節の炎症が持続すると、関節は変形し、もとには戻りません。関節リウマチ同様、早期の診断と治療が重要です。皮疹、関節炎を抑える免疫抑制剤やステロイド軟膏、ビタミンD軟膏などを使用します。

細菌性関節炎

頻度は多くないものの、関節炎の原因に細菌感染も考えられます。
細菌感染が関節内に広がることで、日の単位で増悪する急激な痛み、腫れ、熱感が現れます。関節リウマチなど、ほとんどの膠原病による関節炎が体のあちこちで生じる(多関節炎)のに対し、通常、細菌性関節炎はひとつの関節に限局して発症(単関節炎)するのが特徴的です。
紛らわしい疾患として、痛風や偽痛風といった結晶性関節炎があがります。結晶性関節炎もまた、一般的には単関節炎として出現するため、ときにこれらの区別は難しく、関節液を採取して、結晶の有無、感染の有無をしらべる検査が必要になるケースもあります。
細菌性関節炎は排膿処置、抗生剤治療が中心になります。整形外科での治療になりますので、細菌感染が疑わしい場合、当院にて治療をして、処置が可能な専門機関にご紹介いたします。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデス(SLE)は、比較的若い女性に多く見られる自己免疫性疾患で、皮膚や関節だけでなく全身の臓器に炎症を起こす病気です。代表的な症状として、頬に蝶が羽を広げたように現れる「蝶形紅斑」が知られており、関節痛、発熱、倦怠感などを伴うことも少なくありません。さらに、腎臓や胸膜、心膜、神経系など多様な臓器が障害されるのも大きな特徴です。発症の正確な原因は解明されていませんが、遺伝的背景や環境因子、紫外線による皮膚障害などが関わっていると考えられています。ほとんどの患者さんでは血液検査で抗核抗体が陽性となり、この自己抗体が病気の成立に深く関与しています。診断は症状の経過や身体所見に加え、抗体検査や補体を含む免疫学的検査を組み合わせて行います。治療は障害臓器の重症度に応じて段階的に行われ、特に腎臓の障害が強い場合には入院のうえで高用量のステロイドや免疫抑制薬を併用し、寛解を目指します。当院では昭和医科大学リウマチ膠原病内科の専門外来と連携しながら診療を進めています。

リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症(Polymyalgia Rheumatica:PMR)は、肩や首の後方、肩甲骨周囲、腰部や殿部、大腿部などに急に広がる筋肉の痛みを感じる病気です。症状の特徴として、夜間から朝方にかけて痛みやこわばりが強まり、起き上がる動作や寝返りすら困難になることがあります。主に65歳以上の高齢者に多く発症し、血液検査ではCRP(C反応性タンパク)の上昇や赤沈(赤血球沈降速度)の亢進など炎症所見が確認されます。この疾患の本質は、関節内や周囲にある滑液包と呼ばれる袋状の組織に炎症(滑液包炎)が生じることと考えられていますが、その発症機序は明らかになっていません。
治療には副腎皮質ステロイド(ステロイドホルモン剤)が有効で、投与開始後は比較的速やかに症状が改善します。しかし、日本人では再燃や再発が起こりやすいとされ、初期治療後に関節リウマチと同様に抗リウマチ薬を追加使用する場合もあります。また、患者さんの一部では巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を合併することが知られています。

リウマチ性多発筋痛症

痛風

痛風は、尿酸の結晶が関節内に沈着して炎症を引き起こす疾患で、典型的には足の親指の付け根に強い痛み、腫れ、熱感を伴って現れます。一方、偽痛風はカルシウム結晶(ピロリン酸カルシウム)が関節に沈着することで起こり、同じく急激に関節炎を生じます。両者は「急に関節が腫れて強い痛みと熱感を伴う」という共通点がありますが、発症年齢や部位に違いがあります。痛風は中年男性に多く、親指の付け根に生じやすいのに対し、偽痛風は高齢者に多く、膝関節に起こりやすいのが特徴です。これらは単関節炎として発症することが多いため、感染性関節炎との鑑別が重要です。また、複数の関節に同時に炎症が出る場合には、関節リウマチなど他の膠原病との見極めも必要になります。治療は急性期に抗炎症薬やコルヒチン、場合によってはステロイドを使用します。特に痛風では、アルコール摂取やプリン体を多く含む食品を控えるなど、生活習慣の改善が根本的に重要とされています。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンによって報告され、その名が付けられた自己免疫疾患です。日本では1977年に厚生労働省研究班の調査を通じて広く知られるようになりました。主に若年から中年の女性に多く発症し、涙腺や唾液腺に慢性的な炎症が生じることで分泌機能が低下し、目や口の乾燥(ドライアイやドライマウス)を引き起こします。さらに、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病に合併する場合と、単独で発症する場合があり、視神経脊髄炎と同時に現れることも報告されています。症状としては、目や口の乾燥に加え、虫歯や口内炎の反復、皮膚の乾燥、関節痛やこわばり、強い疲労感や倦怠感、涙腺や唾液腺の腫れやしこり、さらには発熱や体重減少など多岐にわたります。このように、シェーグレン症候群は日常生活に大きな影響を及ぼす病気であり、全身に及ぶ症状への理解と適切な診療が重要です。

シェーグレン症候群


手指の関節が痛い・こわばると感じたら何科を受診すればいい?

朝、手指の関節に腫れや痛み、こわばりがある場合は、専門の医師に相談することが大切です。まずはリウマチ科、膠原病内科、または整形外科を受診すると良いでしょう。特に『左右う両方の手』や『足と手』など、複数個所に痛みやこわばりを自覚する場合、リウマチ膠原病内科の受診をお考え下さい。関節症状に発熱や皮疹など、関節以外の症状が同時にある場合もまた、膠原病内科でご相談されることをお勧めします。

膠原病内科・リウマチ科