全身の関節が痛い?このような症状はありませんか?
- 全身の関節が痛い
- 関節がジンジンする感じがする
- 全身がガチガチに硬く感じる
- 体を動かすと痛みが広がる
- 朝起きたときに関節が痛くて動かしづらい
- 肩や腰など関節全体が痛い
- 関節の痛みがひどくて夜眠れない
- 関節の痛みが徐々にひどくなってきた
- 関節が腫れている感じがする
- 関節を触ると痛みが増す
- 少し動いただけでも全身が痛い
上記のような症状が見られる場合、膠原病やリウマチ疾患が疑われます。東京都・埼玉県・神奈川県近辺で当てはまる症状がありましたら、東京都目黒区、自由が丘駅の近くにある自由が丘リウマチ・膠原病クリニックまでご相談ください。
全身の関節が痛い原因
関節リウマチ
関節リウマチは免疫の異常により自分の関節を攻撃してしまう進行性の自己免疫疾患で、放置すると関節の破壊や変形につながります。手足の小関節に左右対称で炎症が起こり、朝のこわばりや腫れ、痛み、全身倦怠感が特徴です。原因は遺伝やホルモン、感染、喫煙や歯周病などが関与すると考えられています。診断は症状に加え、血液検査や関節エコーを用いて行われます。治療は炎症を抑え、関節破壊を防ぐことを目的に、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬、生物学的製剤やJAK阻害薬が用いられ、必要に応じてステロイドやNSAIDsも使用します。さらにリハビリや運動療法も重要で、重症例では手術が検討されることもあります。
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデス(SLE)は、若い女性に多くみられる自己免疫疾患で、皮膚・関節にとどまらず腎臓や心膜、神経など多臓器に炎症を引き起こすのが特徴です。代表的な症状に、両頬に蝶の羽のように広がる蝶形紅斑があり、発熱や関節痛、倦怠感を伴うことが少なくありません。発症の原因は明確ではありませんが、遺伝的背景や環境要因、紫外線による皮膚障害が関与すると考えられています。患者のほとんどで抗核抗体が陽性となり、診断には臨床経過や身体所見、抗体検査・補体などの免疫学的検査を総合して行います。治療は臓器障害の程度に応じて段階的に行われ、腎障害など重症例では高用量のステロイドと免疫抑制薬を併用することが一般的です。当院では昭和医科大学リウマチ膠原病内科の専門外来と連携し、診療を行っています。
リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、主に65歳以上の高齢者に発症し、肩や首、腰、股関節周囲に急性の筋肉痛やこわばりを生じ、朝方に症状が強く現れます。血液検査ではCRPや赤沈の上昇が特徴的で、本態は滑液包の炎症と考えられています。治療はステロイドが第一選択で、数日で改善することが多いものの再発しやすく、抗リウマチ薬を併用する場合もあります。約15〜50%で巨細胞性動脈炎を合併し、失明につながる恐れがあるため注意が必要です。関節リウマチや線維筋痛症と症状が似ていますが、発症年齢や病態は異なる疾患であり、鑑別診断には専門的評価が不可欠です。
脊椎関節炎
脊椎関節炎は、脊椎や仙腸関節に炎症を起こす自己炎症性疾患の総称で、強直性脊椎炎や乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に伴う関節炎、SAPHO症候群などが含まれます。疾患ごとに背景や症状は異なるものの、複数の関節や脊椎(軸関節)、腱付着部に炎症を起こしやすく、またぶどう膜炎(眼の炎症)を合併することもあるなど、共通点が多いためまとめて呼ばれています。発症は若年層に多く、朝の腰痛やこわばりが代表的な症状です。成因には遺伝的要素が強く関与しており、特にHLA-B27遺伝子との関連が知られています。診断は、特徴的な症状に加えて、関節エコー、X線、MRIなどの画像検査を組み合わせて行います。治療は非ステロイド性抗炎症薬、抗リウマチ薬、生物学的製剤などを用い、症状の緩和と進行抑制を目指します。
線維筋痛症
線維筋痛症は、全身の筋肉や関節に広範囲な痛みを引き起こす慢性疾患です。痛みは筋肉や関節に均等に分布し、しばしば慢性的で疲労感や睡眠障害を伴います。ストレスや疲労が症状を悪化させることがあり、診断は主に症状の評価に基づきます。線維筋痛症が疑われる場合、当院で治療ができませんので連携する医療機関をご紹介いたします。
多発性筋炎
多発筋炎と皮膚筋炎は、筋肉や皮膚に炎症が起こる自己免疫性疾患で、まとめて「炎症性筋炎」と呼ばれます。特徴的なのは、腕や太ももといった近位筋の筋力低下で、進行すると日常生活に支障をきたすことがあります。原因は明確ではありませんが、免疫異常が深く関与していると考えられています。診断は血液検査や筋肉生検などで行い、治療にはステロイドや免疫抑制剤が用いられます。自己抗体の種類によって皮疹の特徴や病気の進行、重症度が異なり、また間質性肺炎を高頻度で合併するのも大きな特徴です。中には肺病変が急速に進行し命に関わるケースもあるため、早期診断と迅速な治療開始が極めて重要です。皮疹は手指の湿疹、瞼や首回りの紅斑、肘や膝の角化性紅斑など多様で、単なる皮膚トラブルと誤解されやすい点にも注意が必要です。筋肉のだるさや軽い息切れなども含め、気になる症状がある場合は早めの受診が推奨されます。
成人発症スチル病
成人発症スチル病は、高熱・関節痛・皮疹を主症状とする全身性炎症性疾患です。典型的には39℃以上の弛張熱が朝夕に繰り返し現れ、発熱時に体幹や四肢にサーモンピンク色の紅斑が出現し、解熱とともに消えるのが特徴です。喉の痛みも熱と連動して強弱を示し、風邪とは異なり数日で治まらない点が大きな違いです。関節炎に加え、一部では心膜炎や胸膜炎を伴い、胸痛や呼吸時の痛みが出ることもあります。主に20~30代で発症し、原因は不明ながら感染を契機とした免疫異常が関与すると考えられています。急性期には強力な炎症を抑えるためステロイド治療が必須で、多くの場合数年にわたり継続治療を要します。再発例も多く、長期管理では副作用の少ない生物学的製剤や免疫抑制薬が用いられます。
ベーチェット病
ベーチェット病は、口腔内や外陰部の潰瘍、皮疹などを特徴とする全身性の自己炎症性疾患です。好中球が過剰に集まり炎症を起こすことが背景にあり、小さな傷でも膿を伴って治りにくいのが特徴です。診断には皮膚に針を刺し膿の有無を確認する「針反応試験」が用いられることがあります。HLA-B51との関連が知られ、若年から発症しやすく、小児例も少なくありません。皮膚の毛嚢炎様皮疹や結節性紅斑、眼のブドウ膜炎を合併することも多く、失明に至る可能性があるため早期治療が重要です。さらに腸管、神経、血管などに炎症が及ぶ特殊型もあり、腹痛や下痢、頭痛、血栓症状が出現することがあります。治療は症状や病型に応じ、コルヒチン、ステロイド、生物学的製剤や免疫抑制薬を使い分けます。
痛風
痛風は尿酸結晶が関節に沈着し、激しい痛みや腫れを引き起こす病気で、特に中年男性の足の親指に多く見られます。一方、偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶が原因で、高齢者の膝に好発します。いずれも急性に関節が腫れて強い痛みや熱感を伴う点で似ていますが、発症年齢や部位が異なるのが特徴です。急性単関節炎の形をとるため、感染性関節炎との鑑別が重要で、複数の関節に炎症が出る場合は関節リウマチなど他疾患の可能性も考慮されます。治療は抗炎症薬やコルヒチンが中心で、強い炎症時には一時的にステロイドを使用することもあります。特に痛風では、飲酒や高尿酸食品を控えるなど生活習慣の改善が再発予防に不可欠です。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺に慢性的な炎症が起こり、目や口の乾燥を生じる自己免疫疾患で、中年女性に多く発症します。症状はドライアイ・ドライマウスのほか、関節痛や倦怠感、発熱など全身に及ぶ場合もあります。発症原因は完全には解明されていませんが、遺伝やウイルス感染、女性ホルモンなど複数の要因が関与すると考えられています。診断には血液検査や涙腺・唾液腺の機能検査、生検などが組み合わされます。根本的な治療法はなく、人工涙液や保湿剤、唾液分泌促進薬で乾燥症状を和らげ、必要に応じてステロイドや免疫抑制薬で臓器障害に対応します。生活習慣の改善やストレス対策、歯科・眼科との連携が重要です。
皮膚筋炎
皮膚筋炎は自己免疫疾患で、主に皮膚と筋肉に炎症を引き起こします。全身の筋肉に痛みや脱力感を伴い、関節にも痛みを自覚したり、間質性肺炎を合併することもあります。。皮膚に特有の発疹(ヘリオトロープ疹やゴットロン疹など)を伴うことがあり、診断のために血液検査やMRI、筋電図、筋肉の生検などを行います。治療には、ステロイドや免疫抑制薬を使用し、炎症のコントロールと筋肉の機能維持を目指します。
強皮症
強皮症は皮膚が硬くなる自己免疫疾患で、多くは若年から更年期前後の女性に発症します。初期には寒さで指先が白くなるレイノー現象がみられ、その後、手指の腫れや皮膚硬化が進行します。症状は手や指に限局する場合と全身に広がる場合があり、抗セントロメア抗体や抗トポイソメラーゼ抗体など自己抗体の種類によって病型が異なります。皮膚だけでなく、消化管や肺、腎臓、血管に線維化が及ぶと、逆流性食道炎、便秘、間質性肺炎、肺高血圧症、腎障害などの合併症を伴うこともあります。治療は難しいものの、近年は新たな治療法が報告されています。レイノー現象や皮膚硬化の兆候があれば、早期に膠原病専門医の診察を受けることが重要です。