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膠原病内科・リウマチ科

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膠原病内科やリウマチ科では、関節リウマチ全身性エリテマトーデスなどの全身性自己免疫性疾患に対する診断や治療を行っています。

「自己免疫性疾患」や「膠原病」、「リウマチ」といった言葉は、一般的には馴染みが薄く、「膠原病」や「リウマチ」と聞くと、重い病気のために通常の生活が困難になると感じる方も少なくないと思います。また抗リウマチ薬やステロイド、免疫抑制剤といった治療薬に対する不安、これから先の将来に対する不安なども多くの方が感じていらっしゃると思います。しかし一方で、リウマチ診療の進歩は目覚ましく、近年、関節リウマチに対する生物学的製剤など、新しい治療薬が続々と登場し、早い段階で適切な治療を選択することで、病気になる前と同じような日常生活を送ることができるようになりました。怖いけど、一人で悩むその前に、まず専門医の診察を受け、適切な治療方針について相談することが大切です。

自己免疫疾患とは

健康な状態では、免疫力や抵抗力は外部から侵入する病原体(細菌やウイルスなど)や異物などに対して正しく機能します。しかし、何らかの理由でこのシステムに異常が生じると、自分の細胞と外部からの病原体をうまく区別できなくなります。その結果、本来は体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまいます。この“免疫システムの異常で自分自身を攻撃してしまう病気”を総称して『自己免疫性疾患』あるいは『膠原病』と呼びます。

これにより、体内の様々な部位で慢性的な炎症が起こり、様々な症状や異常が現れることになります。


膠原病・リウマチ疾患で
見られる症状

関節に関する症状

など

また、一方で、加齢に伴う関節の変化、更年期の女性ホルモンバランスの変化に伴う関節の痛みなど膠原病以外が原因となっているケースも多くみられます。
特にきっかけがはっきりしない痛みや数週間以上続く関節の症状は何らかの病的な原因が隠れているかもしれません。敷居を低くしてご相談ください。

皮膚に関する症状

膠原病では皮膚にも多彩な症状がみられることもあります。

以下、代表的な皮膚の異常を列挙します。

など

爪を含めた皮膚の変化も多くの膠原病疾患でみられることの多い症状です。
手荒れやしもやけ、脂漏性湿疹などと間違われてしまわれることも多い膠原病皮疹ですが、気になる方は是非一度ご相談ください。

呼吸器に関する症状

  • 慢性的な咳
  • 労作時(動いた際の)の息切れ
  • 胸膜炎(胸や心臓のまわりに水がたまる)による胸痛

など

関節リウマチの患者さんの20~30%に間質性肺炎が合併するといわれています。
間質性肺炎は関節炎同様、免疫システムの異常に伴う肺炎で一般的な感染症に伴う肺炎とは全く別のものです。慢性的な息切れや咳、長期にわたると体重減少などにもつながります。一般的にリウマチに伴う間質性肺炎の進行は非常に緩徐ですが、間質性肺炎のタイプによっては、増悪したり、使用できないリウマチ薬(薬剤性肺炎を引き起こす可能性)があったりします。間質性肺炎合併例ではより専門的な評価と慎重な治療戦略が必要になります。

心臓に関する症状

  • 心膜炎を起こし、胸痛や息切れを起こす
  • 心筋炎を起こし、心機能が低下する

など

関節リウマチ全身性エリテマトーデス、強皮症など、一部の膠原病疾患で稀に合併します。
発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことが多く、胸痛は前かがみで比較的緩和され、仰向けの姿勢や深呼吸で増悪します。レントゲン、心臓の超音波などで診断します。

消化器に関する症状

  • 腸に炎症や潰瘍が起こり、腹痛や下痢、血便をきたす
  • 頻繁に口内炎ができる(同時に外陰部に潰瘍がみられることもある)
  • 吐き気や嘔吐が続くなど

ベーチェット病や全身性エリテマトーデスなどの膠原病で胃腸の症状がみられることがあります。また、膠原病に対する免疫抑制剤の使用が腸管感染症を招いたり、薬剤そのものによる薬剤性腸炎を引き起こすこともあります。膠原病による症状なのか?感染症なのか?薬剤性なのか?常に慎重に判断する必要があります。

腎臓に関する症状

  • タンパク尿が見られる
  • 血尿がみられる
  • 体のむくみ(浮腫)が気になる
  • 腎機能が低下する

など

腎機能障害は自覚症状がないため、発見が遅れる傾向にあります。
血液検査で異常が出る前から、足がむくむ前から、尿検査の異常が現れるケースがほとんどです。膠原病領域でも全身性エリテマトーデスや血管炎などでは腎臓が障害されるケースが高く、腎臓が障害される場合、重症度がひとつあがります。初期から腎臓の適切な評価が必要となります。また、一方で、免疫抑制剤や鎮痛剤による腎臓の機能低下もありがちで、ここでも膠原病によるものか?薬剤によるものか?慎重な判断を要します。

神経系に関する症状

  • 手足のしびれがある
  • 手足の麻痺が見られる
  • 頭痛(側頭動脈炎、髄膜炎、肥厚性硬膜炎)がある

など

膠原病で神経障害を生じる疾患は限定的です。側頭動脈炎による頭痛や顎の痛み、視力の低下、ANCA関連血管炎に伴う手足のしびれや脱力、まれに全身性エリテマトーデスや混合性結合組織病に伴う髄膜炎などがあげられます。
膠原病による神経症状の多くが、発熱や倦怠感などの全身炎症とともに出現し、数日で改善がみられないのが特徴です。

目に関する症状

など

シェーグレン症候群ではドライアイドライマウスを同程度に認めます。目のみではなく、唾液の出もわるい状態が慢性的に続く場合、シェーグレン症候群を疑います。
膠原病に伴う視力低下やかすみ目は発熱などの全身症状、あるいは皮膚や口腔内粘膜の炎症、関節痛など目以外の症状と同時に自覚することが多く、そのような場合は膠原病を代表とする全身疾患を考え調べていく必要があります。

全身にあらわれる症状

  • 発熱が続く
  • 常に倦怠感があり動くことがつらい
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 筋肉に痛みや弱さを感じる
  • 口の中(口腔内)や目、皮膚が乾燥する
  • リンパが腫れる
  • 健康診断で白血球の減少、血小板の現象、貧血が指摘される

など

多くの膠原病が発熱や倦怠感といった全身症状を伴います。発熱以外に関節痛や皮膚の異常、呼吸器症状など複数個の症状が同時にみられる場合には、膠原病をはじめとする全身疾患の可能性があります。側頭動脈炎など一部の疾患では発熱以外、ほとんど症状がないこともあり、複数の医療機関を受診してもなかなか診断に至らないケースもあります。

風邪やウイルス性胃腸炎のように放っておいても自然に改善する疾患では通常、3-4日の発熱がみられたのちに解熱します。発熱が1週間以上続く場合、なんらかの精査が必要となる可能性が高くなります。

一方、関節リウマチシェーグレン症候群、強皮症、皮膚筋炎、IgG4関連疾患など、通常発熱を伴うことはなく、発熱がないからといって膠原病が否定できるものではありません。


よくある膠原病・リウマチ疾患


当院で対応している
膠原病・リウマチ以外の病気

当院はリウマチ膠原病専門のクリニックになりますが、関節リウマチや膠原病の患者さんが抱える身体の問題に対してはすべて当院で治療していただくことが可能です。特に生活習慣病や骨粗しょう症、軽微な胃腸障害、皮膚疾患、などよくある病気に関しては、薬の相性や、検査結果の共有などが非常に大切になりますので、患者さんひとりひとりと相談したうえで、当院での治療を選択していただくことは可能です。専門医の意見や治療が必要と判断した場合はすぐに専門機関にご紹介いたします。

生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)

膠原病やリウマチは、生活習慣病とも関連するといわれています。特に関節リウマチでは、慢性的な炎症が動脈硬化を促進し、心血管疾患のリスクが高まることが知られています。また、膠原病やリウマチ治療に使用されるステロイドや免疫抑制剤の一部は、糖尿病や高血圧、脂質異常症の発症リスクを増加させる可能性があります。これらの生活習慣病は、病状を悪化させる要因にもなるため、適切な管理が必要です。食事や運動といった基本的な生活習慣の改善に加え、定期的な血圧や血糖、脂質の管理が重要です。膠原病やリウマチ疾患を抱える患者様は、生活習慣病の予防もしっかり行っていきましょう。当院でも、膠原病患者さんの生活習慣病のフォローも責任をもって行っています。膠原病・リウマチ疾患で生活習慣病にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

骨粗しょう症

膠原病やリウマチ科では、骨粗しょう症が合併症として見受けられます。リウマチ性疾患、特に関節リウマチでは、慢性的な炎症が骨密度を低下させ、骨粗鬆症のリスクが高まります。また、膠原病の治療に用いられるステロイド(副腎皮質ホルモン)も、長期使用により骨代謝を抑制し、骨量を減少させることが知られています。そのため、骨粗しょう症の予防と治療が膠原病・リウマチ治療の一環として非常に重要です。骨密度検査の定期的な実施や、カルシウム・ビタミンD補充、骨吸収抑制薬の使用が推奨されます。早期発見と適切な介入により、骨折リスクを軽減させ、健康寿命を延ばすことを目指します。
(※当院は骨密度測定器がないため、骨密度検査に関して近隣の検査専門のクリニックへご紹介させていただき、その結果をみて治療を進めていきます)


膠原病内科・リウマチ科で
行う検査

膠原病内科・リウマチ科では、診断、疾患活動性(病気の強さ)、治療効果判定のために適宜、下記検査を行います。

血液検査

免疫を調べる(診断・治療のために必要な)項目

リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体、免疫グロブリン、抗核抗体、その他自己抗体検査

炎症を調べる項目

CRP(炎症反応)、ESR(赤血球沈降速度)MMP-3など

血球を調べる項目

白血球数、リンパ球数、赤血球、Ht(ヘマトクリット)、Hb(ヘモグロビン[血色素量])、血小板数

生化学検査

腎機能、肝機能、尿酸など

感染症検査

結核、B型肝炎、真菌など

(治療前に体の中に感染症が眠っていないか(潜伏感染)チェックします)

尿検査

腎機能、尿路感染症など

画像検査

レントゲン検査(X線)

関節や骨の状態を把握するために行います。

超音波検査

関節の炎症を評価するために定期的に行います。

CT検査・MRI検査

必要に応じて、肺のCTスキャン、関節のMRIなどを行います。(検査が可能な近隣施設で行います)

骨密度検査

適宜、骨密度検査を行います

(検査が可能な近隣施設で行います)


膠原病・リウマチ疾患の
公費負担について

膠原病やリウマチ疾患は、長期的かつ高額な治療を必要とすることも多いため、要件を満たす場合、高額療養制度などの公費負担制度を利用し、経済的負担を軽減することが可能です。
また、膠原病疾患の一部は「指定難病」に認定されることがあります。指定難病とは、希少な疾患でありながら、重篤かつ長期的な治療が必要な病気を指します。日本では難病法に基づき、指定難病患者さんは「難病患者等医療費助成制度」により、医療費の自己負担額が軽減されます。この制度により、特定の難病に該当する患者さんは、月ごとの自己負担額が上限に設定されており、医療費負担を軽減できます。
難病指定される疾患と条件は、厚生労働省のホームページを参照ください。


セカンドオピニオンについて

現在、リウマチや膠原病で他の医療機関にかかられている方で、診断や治療に関してセカンドオピニオンを希望する方、当院は、自費診療のセカンドオピニオン専門外来は設置しておりません。通常の保険診療で行います。初めての方は初診として受診予約をおとりください。
セカンドオピニオン用の紹介状も必要ありません。紹介状や検査結果、薬手帳などの情報があれば、診療はよりスムーズにすすみますが、なくても大丈夫です。敷居を低くして一度ご来院ください。


リウマチと妊娠・出産について

関節リウマチの患者さんでも妊娠出産はもちろん可能です。
疾患の活動性が低い状態が維持できていること、妊娠に際し、胎児への影響が少ない薬剤をしようしていること、家族の理解があることなど、いくつかの条件はありますが、当院では昭和医科大学リウマチ膠原病内科の母性外来と連携し、おひとりおひとり全面的にサポートいたします。まずは担当医にご相談下さい。